【統合】伊那北高校と伊那弥生ヶ丘高校 - 地域トップ校にも及んだ少子化の波 –

高校編

伊那北高校と伊那弥生ヶ丘高校が統合することが決定し、伊那新校(仮称)として2028年の開校を目指して準備が進められています。

参考: 長野県教育委員会 – 伊那新校(仮称)再編実施基本計画

このニュースを聞いたとき、私の率直な感想は「ついにここにまで手を出してきたか」というものでした。 長野県ではこれまで統合の対象となるのは、どちらかといえば地域の中堅校や小規模校が中心であり、地域のトップ校はほとんど対象になりませんでした。しかし、今回の統合でその前提が崩れたのです。 

これまでの統合事例との比較 

過去には飯山北、大町、木曽のように旧12学区時代の学区トップ校が統合されたケースもありましたが、これらの地域は人口が少なく、少子化の影響が特に深刻だったため、伊那のような地域とは異なる事情があると考えていました。しかし、今回の伊那2校の統合は、その認識を改めさせるものとなりました。 

さらに、後日詳しく紹介しますが、佐久市の野沢北と野沢南の統合も、地域トップ校である野沢北が統合対象となった点で、今回のケースと共通する衝撃を与えました。 

統合新校の設置学科 

統合新校では普通科に加えて特色学科が設置されるようです。伊那北には普通科と理数科があるので、この特色学科は飯山高校や大町岳陽高校と同様の、理数科の流れを汲んだ探究系の学科になるということなのでしょう。

探究系の学科を設置することで、高度な教育の充実を図り、地域の優秀層の流出を抑えることを目的としていると考えられます。

実質的な伊那北主導の統合 

一応2校の統合という形式ではありますが、実質的には伊那北が伊那弥生ヶ丘を吸収する形だと考えています。統合校の校地も伊那北を使用する予定であり、このようなケースでは上位校が優遇されることが多いです。これは偏差値の問題だけでなく、旧制中学と旧制高等女学校では、前者のOBOGの影響力が強いことも関係しているでしょう。 

校地と跡地活用の問題 

統合校の校地になる伊那北は駅からのアクセスが比較的良好で、大きな問題はないと考えられます。ただし、伊那弥生ヶ丘の校地も決して悪くはないため、統合後の跡地活用がどのように行われるのかも課題であり、興味深いポイントです。 

制服がまた消滅か 

伊那北は私服校ですが、伊那弥生ヶ丘は長野県のこの偏差値帯では珍しく制服のある学校です。長野県の公立高校は、他県と比べると私服校の割合が圧倒的に高いことで知られています。学校数では制服校と私服校が半々程度ですが、制服校は小規模の学校が多いので、生徒数で見ると私服通学の生徒が多くなります。 

その中で伊那弥生ヶ丘は制服校としては偏差値が高く、規模も比較的大きい貴重な学校でした。しかし、統合新校は伊那北の流れを受け継ぐ可能性が高いことから、おそらく私服になるでしょう。これにより、長野県から制服の高校がまたひとつ減ることになりそうです。 

進学先の流出は起こるのか 

統合によって、進学先の流出が起こるかどうかも気になるところです。過去に地域トップ校が統合した飯山、大町、木曽のケースでは、いずれも長野市や松本市といった都市部への流出が加速しました。これは選択肢の少なさが受験生に敬遠されたためだと考えられます。 

ただし、伊那のケースではそれほど流出は進まないと考えています。上位層の流出先として候補になるのは、せいぜい諏訪清陵や飯田高校までであり、松本はかなり遠距離となるため進学するケースは限定的でしょう。 

また、諏訪清陵や飯田高校も現状の伊那北と同等の偏差値帯であるため、わざわざ進学するモチベーションにはなりづらいです。一部、統合に対する抵抗感から他地域の進学校を選ぶケースはあるかもしれませんが、大きな流出はないと見ています。 

統合が象徴する少子化の進行 

今回の伊那北と伊那弥生ヶ丘の統合は、急激な少子化の進行を象徴する出来事です。これまで地域トップ校が統合対象になることは少なかったですが、その前提が崩れ始めています。 

今後、長野県内の他の地域でも同様の統合が進む可能性があります。少子化による影響は避けられず、地域の教育環境がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいです。

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